究極の愚策「サマータイム」が導入された理由とは?

3月から欧米を中心に多くの国でサマータイム(夏時間)が導入されます。これは夏の日照時間の長い時期に明るい時間を有効利用することを目的として時刻を1時間早めるというものです。しかし、「白夜」の季節がある地域では全く意味がなく、さらに健康にも悪影響があることもわかっており、何とも微妙な制度となっています。このサマータイムが一体なぜ導入されたのかLive Scienceがまとめています。

Daylight Saving Time: A Guide to the When, Why, What and How | Live Science

サマータイムは1784年にパリの大使を努めていたベンジャミン・フランクリン氏が「照明に必要なエネルギー資源を節約すること」を目的に考案された方法でした。しかし、実行に移されることになるのは、それから1世紀ほど後のことになります。

最初にサマータイムが世に出たのは第1次世界大戦中のドイツで1916年5月に「燃料を節約するため」に導入されました。その後、ヨーロッパの各地域で導入され、1918年にはアメリカでも導入されることになりました。

その後、サマータイムは廃止されましたが、第2次世界大戦中の1942年の2月9日にフランクリン・ルーズベルト大統領がサマータイムを戦争時間(War Time)として、1年中導入することになります。戦後は各国で自由な取り決めがなされるようになりましたが、現在では世界の4割程度の国で導入されています。

当初は資源の節約で導入されたサマータイムですが、そもそも消費エネルギー量が増加しているという調査結果があるだけでなく、心臓発作等の健康被害との関連性も指摘されており、廃止論自体も高まっています。今後のサマータイムがどのようになるか要注目です。

ペンギン議長の一言

サマータイムは当初、照明機器に使用する燃料を節約する目的で使用されており、一定の効果があったと考えられます。しかし、現代ではエアコンに使用するエネルギーが増加しており、むしろ使用エネルギー量自体はサマータイムとの関連性は低くなりつつあるのかなと思います。

EUでは本格的にサマータイムを廃止する方向に動きつつあり、この世から無くなる可能性も高くなりそうですね。