「懲役最大25年」水道局のシステムをハッキングした男が起訴される

日本では水道水の管理が徹底されており、蛇口から出した水は非常に綺麗で、そのまま飲むことが可能です。それらは水の消毒などを適切に行っているから可能になっているもので、もし「消毒機能を失ったら」と考えると怖いものです。そんな事件がアメリカで現実に起こっていました。

この事件は2019年3月27日にアメリカのカンザス州にある水道局「Post Rock RWD」で起こりました。当時、同局の従業員であったワイアット・トラブニチェクが同社のコンピュータにログインし、意図的に「施設の清掃」「水の消毒」の2つの機能を停止させたとのこと。

カンザス州環境保護庁犯罪捜査部で特別捜査官を務めるランス・エーリッヒ氏は「被告人は公共の飲料水を管理するシステムを違法に操作して、地域社会に対して安全と健康を脅かす行為をしました。本日の発表はこの手の犯罪行為を犯した者は積極的に起訴することをアピールするものです」と語り、トラブニチェクが犯した犯罪行為を見せしめにする狙いがあるとしています。

トラブニチェクはこの犯罪で「水道の管理システムを不正に操作した罪」で最大20年、「コンピュータをハッキングした罪」で最大5年の懲役が科せられます。

アメリカで水道局のハッキングが重い罪として扱われるのには理由も存在します。2021年2月にフロリダ州で同様に水道局がハッキングされたことがあり、「水道水に水酸化ナトリウムを大量に混入させる」事件が起きています。人名にも関わる事件にもなりかねないため、ここまで重い罪として扱われているようでした。