「必要なときだけ点灯する」無駄を極限まで排除した風力発電式の街路灯「PAPILIO」が登場

画像: Vimeo(Tobias Trübenbacher)

夜の街路灯の光が溢れると場所によっては景観を損なう「光害」を引き起こしたり、逆に「誰もいないのに」景観のために点けっぱなしにしてしまうと、電気代や環境資源を無駄にしたりすることが考えられます。この問題に対して、ベルリン芸術大学でプロダクト・デザインを専攻していると学生のトビアス・トリューベンバッハー氏の卒業プロジェクトで街路灯「PAPILIO」が制作されました。 

PAPILIOはライトと風力発電機が一体となった街路灯で「必要なときだけライトを照らす」機能を搭載しています。このPAPILIOはシートメタルでできたサボニウス型のローターが300Wの発電機に接続されており、このローターが風の力で回転することで発電した電力がバッテリーに充電されるようになっているとのこと。つまり、自然エネルギーで蓄えた電力で動作する街路灯であることから、CO2削減が叫ばれている記事作成時点においてはニーズの高いものとなっています。

また、必要なときに街路灯として機能するための仕組みとして、PAPILIOには赤外線センサーが搭載されています。これにより、人が近づいたときだけ街路灯を照らすことが可能となることから、光害による影響も最小限に抑えることが可能です。また、点灯中の光害も最小限に抑えるため、下方向のみを照らすような工夫もされています。

画像: Vimeo(Tobias Trübenbacher)

また、PAPILIOは街路灯だけの用途ではなく、家庭で使用される防犯用の赤外線センサーライトとしても使用することが可能。なお、PAPILIOが蓄えた電力のうち街路灯に使用される電力量は少ないことから、余った電力を別の用途に使用するといったことも可能であるとのことでした。

実際にPAPILIOが動作している様子はトリューベンバッハー氏自らがVimeoに公開しているムービーで確認することができます。

PAPILIO from Tobias Trübenbacher on Vimeo.