「Googleによって連続殺人犯に」一般人が検索アルゴリズムの問題で犯罪者認定されてしまう

記事作成時点において、世界No.1の検索サービスを運営しているGoogleですが、同サービスの検索アルゴリズムでは検索された「人」や「モノ」に対して、適切と思われる画像を表示します。しかし、スイス在住のエンジニアがあるときGoogleで自分の名前を検索したところ、「同姓同名の連続殺人犯」の写真に自身の顔写真が使用されていたとのことです。

同姓同名の犯罪者として「自分の顔写真」が検索結果に表示されるというのは「その後自分の身に降りかかるであろうこと」を創造すると怖いことは誰もが想像できると思います。実際に陥ってしまったのはスイスのチューリッヒ在住でエンジニアの仕事を行っているフリスト・ゲオルギエフさんです。同氏は自身のメールボックスを確認していたときに「かつての同僚」から届いた1件のメールで問題に気づくこととなります。

その後、ゲオルギエフさんはGoogleの検索フォームに「自分の名前」を入力し、検索を行いました。すると、Googleの検索結果にはゲオルギエフさんの顔写真が表示され、「1980年8月28日に死刑執行されたブルガリア人連続殺人犯」の情報を示すWikipediaのページがリンクされていたようです。ゲオルギエフさんは「誰かがWikipediaに俺の写真を勝手にアップロードしたのか?」と思い、Wikipediaのリンクを開いて中を確認しましたがそこには「自分の顔写真」は掲載されていませんでした。
この時の実際の検索結果はこちらから確認することができます。

同氏は自身のブログで「Google のナレッジグラフアルゴリズムが私の写真と連続殺人犯に関するWikipediaの記事を誤って関連付けたのだということが判明しました」と語り、いわゆるGoogleの検索ソフトウェアが同姓同名の連続殺人犯の顔写真をゲオルギエフさんのものと勝手に判断してしまったとしています。

この検索結果を見たゲオルギエフさんは当初友人たちと一緒に大笑いしていたそうですが、「結構まずい事態かもしれない」と思い直したとのこと。実際、Wikipediaの記事を読めば、ゲオルギエフさんと連続殺人犯が別人であることは明らかですが、多くの人はそんなことをせず、写真だけで判断するはずです。

このため、仮にゲオルギエフさんが転職活動をしたとき、会社の人事部門の担当者は「連続殺人の前科者が経歴を偽って応募してきた」と誤判断する可能性があります。このように考えた同氏は「一介の企業がインターネットの情報を整理するのはまずいかもしれない」と思い、インターネットの現状に疑問を呈しています。なお、記事作成時点でゲオルギエフさんのGoogle検索結果は正常なものに修正されており、連続殺人犯と関連付けはされていませんでした。