軍事パレードに参加する女性兵士に「ハイヒール着用を強要」国防大臣が大批判を受けてしまう

画像: Sky News(Ministry of Defence, Ukraine)

ウクライナの国防当局はソビエト連邦崩壊後の独立から30周年を記念して2021年8月に行われる軍事パレードの予行演習において、女性兵士がハイヒールを履いて行進の練習をしている写真を公開しました。しかし、この写真を見た議員は「女性蔑視だ!」と同国の国防大臣に大批判が集まってしまうという事態が発生しました。

公開された写真には女性兵士が黒いハイヒールを履いて行進の練習をしている様子が映し出されており、女性兵士の列の横には「行進を姿勢や位置取りを指示する」男性兵士が通常の軍靴を履いて指導していました。この写真を見た議員は「なぜ女性だけにハイヒールを履かせるのか」との疑問を感じたようで、「根底に差別的な意味があるのではないか」としてウクライナのアンドリー・タラン国防大臣に批判が集中しているようです。

これ以外にも批評家のマリア・シャプラノワ氏は「ハイヒールは美容業界が女性に押し付けた『負の遺産』だ」と述べ、今回の問題は「ウクライナ国防省に女性を蔑視する風潮が残っているから起きた問題だ」として、痛烈に批判しました。この他にも女性兵士らも「命を懸けて」国のために働いていることから差別されるのはおかしいといった意見が多く寄せられているようです。

なお、実際にパレードの練習に参加した士官候補生のイヴァンナ・メドヴィッドさんは国防省のインタビューで「今日初めて訓練でハイヒールを履きましたが『歩きづらい』ですね。正直言えば、軍靴の方が楽なのですが、本番までにちゃんと歩けるように練習します」と語り、普段の訓練では履かないタイプの靴のため、姿勢を正しく行進するのに苦労していると語っています。

なお、今回の問題により、批判される形となったタラン国防大臣は「国防大臣自らがハイヒールを履いてパレードに出席すべきだ」とする意見が議員を中心に集まっているようです。