太陽系外の惑星を対象とした研究で「太陽系外の惑星に地球と同等レベルの生態系を維持できる星が存在しない」ことを裏付ける報告がイギリスの王立天文学会が発行する学術雑誌に掲載されました。このため、記事作成時点で地球に似ていると確認されている星でも、健康的な生活を送るのは厳しいかもしれないようです。
研究者によると「地球上の複雑な生態系を維持するのに必要不可欠な酸素を排出する『光合成』に必要な条件」を精査したとのこと。すると、地球が存在する「天の川銀河」には何千もの惑星がありますが、近隣の恒星から一定の放射エネルギーを受けつつも地球と同じように表面に液体の水が存在することができる「ハビタブルゾーンに位置する惑星がほとんど存在しなかったそうです。
なお、研究では地球から約1200光年の位置にあるケプラー442bだけが、地球と似たような環境があるとのことで、同惑星を詳細に分析しています。すると、ケプラー442bに熱エネルギーと光を提供している恒星は太陽の約3分の1程度の温度で燃えている赤色矮星に分類されており、この星から発される放射エネルギーでは「光合成」を十分に行うためのエネルギーを得られないことが明らかにされました。
本研究に携わったナポリ大学のジョバンニ・コボネ教授は「今回の研究結果は『地球のような生態系を維持するための環境』を数値化して定義するものでしたが、残念ながら地球と同程度の環境はほとんど存在しないようです」とコメントしています。
ペンギン議長の一言
映画「インターステラー」で行われていたようなことはほぼ不可能なのかもしれませんね。映画のようにブラックホールを恒星として周回する惑星は恒星がどんな見え方をしているのか興味があるのですけどね。