ラーメンの余ったスープを「トラックの燃料」に、日本の運送会社が生み出したバイオディーゼル燃料

日本の福岡県に拠点を持つ西田商運ではとんこつラーメンの余ったスープからバイオディーゼルを作り出す技術を開発しました。記事作成時点では同社が所有する170台のうちいくつかのトラックで使用しているそうですが、2021年9月から全台のトラックで使用するとのことです。

西田商運の社長を務める西田眞壽美氏は植物油を原料とするバイオディーゼル燃料の研究を行っており、2013年にラーメンチェーン店の経営者から相談を受けたことがきっかけで、とんこつラーメンの余ったスープから、バイオディーゼル燃料を作れるのではと考えたそうです。

この相談を受けたあと西田氏は余ったラーメンのスープからラードを分離する装置を開発。そして、分離したラードと廃食用油を原料とするバイオディーゼル燃料を作り出すことに成功したとのことです。当時を振り返った同氏は「当初は化学の知識に乏しかったため、試行錯誤の連続で苦労しました。しかし、環境問題が大きな課題とされている昨今では私の開発は日の目を見ることができました」と語っています。

画像: Wikimedia Commons

記事作成時点で西田商運では約2000件のレストランからラードと廃食用油を購入しており、福岡県内の工場で1日約3000リットルのバイオディーゼル燃料を生産しているようです

ちなみに、一般的なディーゼル燃料は原油から燃料を精製して作ることが一般的ですが、生物由来のバイオディーゼル燃料は前者と比較して、温室効果ガスの排出量を削減できることが知られています。