生ガキを食べた男性が「人食いバクテリア」に感染、皮膚や筋肉を壊死させる病気が発症してしまう

アメリカのインディアナ州に住む50歳の男性が店で牡蠣(カキ)を購入し、生で食べたところ、「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌であるビブリオ・バルニフィカスに感染しました。症状が出たのは数日後で最初はインフルエンザのような症状のみでしたが、その後、痛みとともに足に紫色の水疱ができてしまったとのことです。

ビブリオ・バルニフィカスに感染したパトリック・ベイカーさんは病院に運ばれ、皮膚や筋肉の組織を破壊する細菌感染症として知られる壊死性筋膜炎を発症していると診断されました。ベイカーさんは壊死性筋膜炎の影響で皮膚や筋肉の組織の一部壊死してしまっているため、感染症の治療と合わせて死んだ組織の除去のために両足の緊急手術が必要になりました。

ビブリオ・バルニフィカスは温暖な海水や汽水域に発生しやすいことがわかっており、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、カキなどの魚介類を生で食べたり、加熱不十分な状態で食べたりしたときに感染する可能性があるとのことです。これ以外にもビブリオ・バルニフィカスが存在する水域に皮膚に外傷がある状態で触れると、傷口から感染してしまうこともあります。

アメリカではこの細菌に感染する人が年間約8万人ほどおり、平均で100人ほどの死者を出しているとのこと。基本的に生ガキからビブリオ・バルニフィカスに感染した場合、ほとんどの人は下痢と嘔吐の症状で済み、通常3日程度あれば回復します。しかし、一部の人はベイカーさんのように重度の皮膚病を引き起こし、集中治療室での手当てや壊死がひどい場合には手足の切断が必要になるそうです。

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ベイカーさんの症状は重く、3週間生命維持装置が付けられていました。記事作成時点ではリハビリ治療を受けているようですが、医師は「このまま無事回復し、手足の切断を必要とせずに退院することを期待しています」と語っています。