アメリカ軍の原子力潜水艦が「海底にある山」と衝突事故を起こしていたことが判明

画像: Flickr(Official U.S. Navy Page)

2021年10月2日にアメリカ海軍が保有するシーウルフ級原子力潜水艦コネチカット号が未知の物体と衝突。乗組員11人が怪我を負うという事故が発生しました。その後、2021年11月1日に」行われた調査結果によると、同潜水艦は存在が知られていなかった海山に衝突していた可能性が高いとのことです。

2021年10月2日に海山と衝突したコネチカット号は11名の乗組員が怪我を負うと同時に潜水艦自体も損傷したため、海上に浮上。同潜水艦はこの状態のまま航行し、無事にグアム港に到着しました。アメリカ海軍は損傷の全容は明らかにしませんでしたが、当時発表した内容としては「他の潜水艦との衝突ではない」としていました。

しかし、2021年11月1日に発表された内容では「コネチカット号は海山に座礁した可能性が高い」と報告されました。なお、艦隊の司令官は「説明責任を含め後続措置の必要があるかどうかについて」は今後の調査結果次第としており、今回座礁した経緯について、人為的なミス等がなかったか検証を進めるとしています。

アメリカ海洋大気庁によると、海底から1000メートル以上の高さの海山は10万以上存在すると予測されており、これらの多くは海底火山から形成されたものとのこと。しかし、記事作成時点で海山の存在は「0.1%未満」しか確認されていない現状で、今回のような事故は発生しやすい状況にあるようです。

なお、潜水艦が海山と衝突した事故は2005年にアメリカ海軍のサンフランシスコ号が30ノットで潜航中に未知の海山に激突。137人の乗組員のほぼ全員が負傷し、1人が死亡するという事故が発生しています。