豚の心臓を移植された男性、肝心の豚の心臓はコカイン漬けにされていた模様

2022年1月初旬に豚の心臓を人間の男性に移植するという手術が行われ、無事手術が成功したことが大きな話題となりました。この手術の成功の裏には「豚の心臓の保管方法」にもあるようで、心臓を保管するために使用されていた溶液には麻薬の一種とされているコカインが使用されていたとのことです。

この心臓移植手術に携わったメリーランド大学医療センターで外科医のムハンマド・モヒウディン氏によると、今回の手術の成功には心臓の保存に使用されたコカイン等の物質が入った溶液が非常に役に立ったそうです。

「この溶液を使用していない場合、心臓は最長で48時間程度しか保存することができず、輸送なども含めると手術を行うのに大きな制約がありました」とモヒウディン氏は述べており、規制当局にも承認されれば、心臓移植手術においても大きな前進となるはずだとしていました。

記事作成時点において、コカインが心臓を保管するのに役に立つ理由は明らかになっていません。しかし、モヒウディン氏は「この溶液を使用することで、心臓は良い状態で長く保管することができ、移植後も良く鼓動していることを確認しました」として、輸送に長時間かかり、しかも人間の心臓でもないにもかかわらず、移植手術の成功に大きく起因したと語っています。

同氏は今回の手術を行うにあたり、この溶液の使用許可を得るために非常に長い期間を要したそうです。これについて「通常、心臓は2、3時間で手に入るものではありません。少し面倒ではありますが、遠方から臓器を取り寄せるための必要経費だと思っています」とモヒウディン氏は述べていました。