「制裁解除に応じないため」ロシアが国際宇宙ステーションへの協力を中断すると発表

画像: Flickr (Sam Churchill)

2022年4月3日時点でロシアはウクライナを侵攻しており、その影響で欧米諸国から強い制裁措置を受けています。そんな中、ロシア国営の宇宙開発企業「ロスコスモス」も制裁措置の影響を受けているとして、アメリカや日本など複数国の機関が共同で参画している国際宇宙ステーション(ISS)のプロジェクトから一時脱退すると発表したとのことです。

ロスコスモスでCEOを務める政治家のドミトリー・ロゴージン氏はアメリカ航空宇宙局(NASA)の長官を務めるビル・ネルソン氏から受け取った書簡を受けて、2022年4月2日にTwitterで「ISSやその他の共同プロジェクトにおけるパートナーシップを一時的に停止する」と発表しました。

ロゴージン氏はNASAやカナダ、ヨーロッパの宇宙機関に対し「制裁解除を訴える書簡を送っていた」ようで、NASAやカナダの宇宙機関からの回答を受けて、ISSへの参画を停止することを決めたとのこと。同氏が受け取った回答はいずれも「(ISS関連プロジェクトの参画停止については)EU加盟国から回答があるまでは対応を待って欲しい」と記述されていたのみだったことを明かしています。

ロゴージン氏は回答を受けて「アメリカとカナダの回答は丸写しの内容でした。そもそも、EU加盟国28カ国からの回答をすべて待ったところで制裁解除の判断をされることはないでしょう」と述べ、現状できる対応としてはプロジェクトの参画を即座に停止することであると判断したとのことです。

記事作成時点でISSには宇宙飛行士が計7名乗り込んでおり、うち3名がロシアの宇宙飛行士となっています。この3名について、ロシア側がどのような対応を取るかはロゴージン氏は明らかにしませんでした。なお、ISSに搭乗しているロスコスモスから派遣された宇宙飛行士のセルゲイ・コルサコフ氏、オレッグ・アルテミエフ氏、デニス・マトベエフ氏はロシアのウクライナ侵攻について賛成の立場をとっているそうです。