YouTubeアプリと同等の操作感が実現され、しかもYouTubeの月額課金サービス「YouTube Premium」と同じように「広告ブロック」「ピクチャーインピクチャー(PinP)再生」の機能を無料で利用することができることもあり、Androidユーザーの間で大人気となっている「YouTube Vanced」アプリですが、突如開発を中止することが発表されました。プロジェクトの終了理由について、アプリ提供元のVancedは「法的な理由によるもの」と述べているようです。
- Google forces YouTube Vanced to shut down ‘due to legal reasons’ - The Verge
- Acabou o YouTube Vanced! Razões legais levam ao fim deste serviço
- Katastrofa: YouTube Vanced przestaje istnieć! Co w zamian?
PCのWebブラウザでYouTubeを利用する場合、様々なアドオン等を駆使することで、広告ブロックのほか、バックグラウンド再生やPinPによる再生機能を導入することは可能です。しかし、スマートフォンでは基本的にWebブラウザへのアドオン導入がサポートされていないため、このような機能は導入されていませんでした。
しかし、YouTube Vancedでは単独のアプリとして、PCのブラウザで利用できる機能を導入しており、スマートフォンユーザーにPC用Webブラウザとほぼ同等機能を提供していました。このこともあり、YouTube Vancedは世界中のAndroidユーザーによって支持されてきた大人気アプリの1つとして知られていました。
しかし、YouTube Vancedで提供されている機能は事実上、YouTubeの月額課金サービスの「YouTube Premium」（記事作成時点で月額：1180円）とほぼ同等の機能が無料で利用可能。当然、YouTube提供元のGoogleと法的な部分で争った場合はYouTube Vancedにほぼ勝ち目はないと言わざるを得ないのです。
そして、今回、YouTube Vancedの提供元であるVancedはGoogleから何らかの通知を受けることになり、プロジェクト終了をTwitterで突如発表。The Vergeの取材によるとVancedは法的な理由から開発を中止せざるを得なくなったとのことで、Googleとの何らかのやりとりの結果、プロジェクト終了を判断することになったとしています。なお、既にYouTube Vancedをインストールしているユーザーは最長で約2年間は同バージョンのアプリを使用できるとのことです。
Currently installed versions will work just fine, until they become outdated in 2 years or so.
— Vanced Official (@YTVanced) March 13, 2022
では、現在YouTube Vancedを利用しているユーザーに別の代替手段は存在するのでしょうか？Team Vancedのフォーラムでは「NewPipeと呼ばれるアプリを使用する方法」「Braveなどの広告ブロック機能を搭載したWebブラウザでYouTubeを見る方法」「AdGuardなどの広告ブロック機能付きのVPNアプリを利用してWebブラウザで見る方法」「無料は諦めてYouTube Premiumに加入する」という方法が挙げられます。
YouTube VancedのようにアプリでYouTubeを見るにはNewPipeを使用する方法の1択ですが、Googleのアカウントにログインする機能がないため「使用感はYouTubeアプリと程遠く使いづらい印象」といったコメントが投稿されています。快適性は犠牲にしつつも、最もアプリに近い操作感で使用するには広告ブロック機能搭載のWebブラウザや同機能搭載のVPNアプリを使用するのが良いのかも知れません。
YouTube VancedやYouTubeアプリと同じ操作感じゃなきゃ嫌だという場合は無料化は諦めて「YouTube Premium」に加入するのが一番簡単ですね。
