「新型コロナで糖尿病発症?」入院した患者の14%が該当との報告も

糖尿病などの病気を持つ人が新型コロナウイルス(COVID-19)に感染すると、重症化しやすく、最悪は命の危険性があるということがわかってきています。しかし、2020年11月頃から新型コロナに感染すると、病歴のない人でも「糖尿病と同様の症状」が発症する事例があることが明らかになっているようです。

COVID-19 may trigger diabetes in some people | Live Science
Unraveling the Complex Link between COVID and Diabetes - Scientific American
Doctors suggest Covid-19 could cause diabetes | Coronavirus | The Guardian

新型コロナに関する8つの研究結果を統合して照らし合わせた結果によると、新型コロナの治療で入院した人のうち14%の人が「糖尿病」と同じ症状を発症することが確認されたとのこと。

ロンドン大学で肥満・糖尿病治療の研究を専門に行っているフランチェスコ・ルビーノ教授は「過去数ヶ月の間に新型コロナの闘病中、または完治した直後に糖尿病が発症した患者の症例が増えました」と語っており、新型コロナ感染と糖尿病の関連性が高いことを示しています。

糖尿病は糖を分解してエネルギーに変換するインスリンの産生に問題が発生し、取得した糖分をエネルギーとして使用することができなくなる病気です。つまり、新型コロナに感染すると、何らかの理由で体内のインスリンの産生に問題が発生して、糖尿病を患ってしまう可能性があるということです。

研究者はこの関連性について、いくつかの可能性を指摘しています。その中で主な原因とされているものは以下の5つです。

▼新型コロナ患者の一部が糖尿病を発症した原因

  1. 新型コロナを発症するSARSコロナウイルス2が脾臓のインスリン産生細胞を攻撃している可能性
  2. ウイルスが腸などの血糖値の調整に関する臓器に感染して機能を喪失する可能性
  3. ウイルス感染特有の重度の炎症のストレスにより血糖値が急上昇させ、糖尿病を発症する可能性
  4. 治療薬に使用するステロイドの影響で血糖値が急上昇し、糖尿病を発症する可能性
  5. そもそも、患者自身が糖尿病であった可能性

記事作成時点では新型コロナ感染後に糖尿病を発症した人が「一時的な副作用で終わるもの」なのかどうかもわかっていません。このため、糖尿病が短期的なものかどうか今後もさらなる研究が必要です。