Nvidiaといえばビデオカード(GPU)を開発＆販売する会社いう印象ですが、2021年4月12日にサーバー用CPU「Grace」を発表しました。同社によると、記事作成時点で最速のサーバーと比較して10倍高速であるとのことです。
「Grace」プロセッサはARMベースのCPUでAIやHPC(高性能演算)に特化しており、他にも「自然言語処理」「レコメンダシステム」など、現代でも著しく高い演算性能を求められるような計算処理に適しています。
NvidiaでCEOを務めるジェン・スン・ファン氏は「現代における最先端のAIやデータサイエンス分野ではコンピューターの限界をはるかに上回るような想像を絶する量のデータ処理を行っています。Nvidiaが開発したGraceはこれらの技術をさらに進化させることになります。このCPU開発により、私たちは第3のチップ企業になりました」と語り、Graceの実現で同社がIntel、AMDに次ぐ第3のプロセッサ開発企業になったとアピールしています。
Nvidiaは「Graceの販売戦略」について、既存のサーバー向けCPUを求めるユーザーではなく、「高性能演算を必要とする」ユーザーのみをターゲットにして販売するとのこと。実際、記事作成時点で「Grace」の導入を進めているのはスイス国立スーパーコンピューティングセンター(CSCS)とアメリカのロスアラモス国立研究所であり、いずれも研究機関となっています。
CSCSで所長を務めるトーマス・シュルテス氏は「GraceによりAI技術とスーパーコンピューティングの融合が可能になり、最も困難とされている問題を解決することが可能です」と語っています。また、ロスアラモス国立研究所で所長を務めるトム・メイソン氏は「Graceは我々のコンピューティング戦略を実現してくれるものです。これにより、忠実度の高い3Dシミュレーションや大規模なデータ分析が可能になります」と、将来的にも有用であると説明しています。
Nvidiaによると、「Grace」は2023年初頭の発売を予定しているとのことです。
