インドの1日の新型コロナ感染者数が約17万人に到達、大規模な宗教行事が原因か

人間の行動原則には「宗教の力」が大きく働きます。実際、無神論者を名乗る人が多い日本人であっても、「神道」の考えを持つ人が多数を占めており、「正月には神社で初詣」「クリスマスパーティーを開く」「葬式は仏教形式をとる」など、生活の節々で様々な宗教の行事を生活に取り入れています。また、世界で2番目に人口が多いインドではヒンドゥー教の信仰者が多いことに起因してか、1日の新型コロナウイルス感染者数が16万8912人に達し、ブラジルの持つ世界記録を上回ってしまったとのことです。

2021年4月12日時点において、この記録は「世界の感染者数の6分の1」を占めており、累計感染者数は1353万人に到達しました。この数字でもインドはブラジルを抜き、アメリカに次ぐ2位の記録となりました。

専門家によると「インドでは2020年に行われていた大規模なロックダウンが解消し、『大規模な宗教上のお祭り』や『選挙に関連した政治集会』などで感染の第2波が発生している」とのこと。実際、インド北部の都市ハリドワールでは数ヶ月に及ぶヒンドゥー教の儀式であるクンブ・メーラ(沐浴の儀式)に100万人が参加しており、今後、感染者数が急増する危険性が指摘されています。

政治評論家のシェカール・グプタ氏は「1日の感染者数が20万人に達しようとしているにもかかわらず、投票のための集会やクンブ・メーラを行うのはおかしい。私たちは最初のロックダウンで回避できた最悪の事態を改めて招こうとしているようにしか見えない」と語り、今後の感染者数の増加に危機感を募らせています。

このような状況を鑑みてか、インドでは再び大規模なロックダウンを計画していると発表しています。