大規模停電の続くイランで「電力緊急事態宣言?」が発動、仮想通貨マイニングが4カ月間禁止に

イランでは記事作成時点において、テヘランを始めとした主要都市で大規模な停電が連日発生する問題が続いています。この主な原因はビットコインなどの仮想通貨マイニングにあると見られており、イランのハサン・ロウハーニー大統領は「2021年9月22日までの仮想通貨マイニングを禁止する」と発表しました。

ビットコインをはじめとした仮想通貨の多くは「仮想通貨の取引内容の正当性を担保」するため、複雑な数学的問題を解く必要があります。これを行うには消費電力の大きいコンピューターが必要です。このコンピューターを仮想通貨取引に提供し、取引の正当性を確認したユーザーにはわずかな「仮想通貨」が報酬として支払われます。これが仮想通貨マイニングと呼ばれる方法で、金銭取引以外でビットコイン等を無償で獲得することができるというもの。

ロウハーニー大統領は2021年5月26日に行われたテレビ演説で「イランで現在行われているビットコイン等の仮想通貨マイニングは約85%は無許可のものです。この発表時点から消費電力の大きい仮想通貨マイニングは9月22日まで禁止とします」と語り、イランの大規模停電の主な原因が「仮想通貨マイニング」にあると認め、4ヶ月間マイニング禁止にすると発表しました。

イラン政府は大統領選挙が2021年6月に控えていることもあり、国民の支持率低下を抑え込みたい意図があると見られています。ビットコイン側の視点で見ると、イランで行われているビットコインのマイニングは全体の約4.5%ほどあると考えられています。仮にこれらが全て失われてしまうと、当然ビットコインの価格にも影響があると予想されており、さらなる価格変動が起こる可能性が指摘されています。