ナイキがカスタムシューズを無断で販売した「ネット界のバンクシー」を訴える

自動車などではメーカーが提供しているパーツを取り付けてカスタムする以外に、オリジナルのパーツを製造するメーカーのものを取り付けたり、カスタムモデルの車を購入したりすることがあります。しかし、スポーツ関係の商品を主に扱うナイキは自社販売のスニーカーのカスタムモデルを販売した業者に対して訴訟を起こしました。

訴訟を起こされた会社は社員10人ほどの小さな会社であるMSCHFです。MSCHFは「インターネット界のバンクシー」と呼ばれており、「福袋のようなもの」から「実際に販売している商品を独自カスタムしたもの」など、色々なものを扱っています。

今回問題となったのは、MSCHFが販売を行ったエアマックス'97 サタン(魔王)モデルです。これはアーティストのリル・ナズ・Xの楽曲「MONTERO (Call Me By Your Name)」とコラボレーションしたもの。このシューズはナイキのエアマックス'97に独自のデザインを施したもので、クッション部分には空気の代わりに「血液を模した赤い液体」が入っており、その中にMSCHF社員の血液が1滴だけ入っているとのこと。

画像: MSCHF
このシューズについて、MSCHFはナイキの許可なく製造・販売をしたこともあり、
ナイキ側は「MSCHFによるシューズの販売が商標権侵害であり、さらにナイキのブランド価値を大きく落とした」として、ニューヨーク地方裁判所に提訴しました。

ナイキによると、このシューズを見た人が「このデザインをナイキが許可したんだ、気持ち悪いから買うのやめよう」といった呼びかけが実際に行われており、ブランド価値の低下が深刻とのこと。このため、MSCHFには多額の賠償金の支払いが発生する可能性が高いと思われます。