「10分でフル充電」電気自動車のバッテリーを短時間でフル充電する技術が開発される

リチウムイオン電池の性能向上に繋がるグラファイト負極を発明したことでも知られるラシッド・ヤザミ博士が電気自動車用のバッテリーをわずか10分でフル充電する技術を開発したことをThe Registerのインタビューで明かしました。

ヤザミ博士が開発した技術を用いると電気自動車用のバッテリーを10分をフル充電できるとのこと。記事作成時点におけるテスラの技術では70分でのフル充電を可能にしているため、同社と比較すると7倍高速に充電できるとしています。

高速充電を実現するため、ヤザミ博士は「Non-Linear Voltammetry (NLV)」と呼ばれる技術を使用しています。この技術は電圧をさまざまなレベルで調整するものです。電池に常に一定の電圧を加えて充電するのではなく、段階に応じて充電に使用する電圧を調整するというもの。

ヤザミ博士によると、この技術を用いることで急速充電できるだけでなく、電池を休ませながら充電することができるため、電池の寿命も増加するとのことです。ヤザミ博士は「大きな電流や高い温度をバッテリーに加えずに急速充電するため、バッテリーは10年保つことができます」と語っています。

なお、このような急速充電技術の研究を行っているのはヤザミ博士だけではありません。2021年初めにはバッテリー開発を行っているStoreDotが電動二輪車用のバッテリーをわずか5分で充電することのできるバッテリー「Exteme Fast Charging(XFC)」を開発したと発表しました。

このように、バッテリー技術は日々進歩しており、将来的には電気自動車が本格的に普及していくものと思われます。