「解熱鎮痛薬のアスピリンで癌による死亡リスクが2割減」驚きの研究結果が報告される

画像: Flickr(Dirk Vorderstraße)

炎症を抑えたり、解熱や鎮痛効果もあることで知られるアスピリンですが、以前からがん治療にも効果があることが確認されていました。しかし、アスピリンを投与することによる死亡リスクがどのように変化するかについては明らかではありませんでしたが、カーディフ大学の研究で「死亡リスクが2割程度減少する可能性があること」が示されたようです。

カーディフ大学で50年以上に渡ってアスピリンの効果を研究してきたピーター・エルウッド教授率いる研究チームによると、25万人のがん患者(いずれも同じがん患者ではなく、計18種類のがんに侵されている患者)に対して、これまでに行われてきた118の先行研究の研究結果を検証したとのこと。

この結果、がん治療の一環としてアスピリンを服用していた患者は「服用していない患者と比較して、約2割程度多く生存していること」が示されました。研究によると、アスピリンには「がん細胞の転移」を抑える効果もあることがわかったとのことです。

アスピリンを服用した患者の一部にはがんに侵された組織からの出血による症状も見られたそうですが、出血に起因して死亡するという事例はなかったことも明らかになっています。このため、研究チームは「がん治療の中でアスピリンの服用も合わせると非常に効果が高いため、導入を検討すべきです」と語っています。