「メスしかいないはずなのに」サメの赤ちゃんが誕生、その理由とは

画像: YouTube(Zenger)

イタリアのサルデーニャ島にある水族館「Acquario Cala Gonone」の水槽でスムーズハウンド・シャークの赤ちゃんが誕生しました。しかし、この赤ちゃんが生まれた水槽にはメスしかいなかったため、大きな話題を集めているとのことです。

この水族館の水槽には10年間、2匹のメスのスムーズハウンド・シャークのみが飼われており、一度もオスのサメが入ったことはないそうです。そんな中、飼育員に「イスペリア」と名付けられたサメの赤ちゃんが生まれることになりました。

水族館によると、イスペリアを生んだサメは「精子が存在しない環境下で卵子の中にある極細胞が精子にように振る舞うことで受精する『単為生殖』のプロセスで生まれたのかもしれない」と語り、絶対にありえない現象であるとのことです。実際にイスペリアが元気に水槽内を泳いでいる様子はYouTubeのZengerが公開しているムービーで確認することができます。

単為生殖はミミズ、昆虫、一部のクモ、甲殻類などの無脊椎動物では比較的よく見られる現象ですが、両生類や魚類などの脊椎動物ではほとんど見ることができません。なお、記事作成時点において、サメ類ではボンネットヘッド・シャーク、ブラックチップ・シャーク、トラフザメの3種類で単為生殖が確認された事例があるそうです。

このため、水族館はスムーズハウンド・シャークが4種類目の単為生殖事例に該当するのかを確認するため、同館の海洋生物学者がイスペリアのDNAサンプルを研究所に送ったとのこと。この結果により、イスペリアが単為生殖で生まれたのか、それ以外の原因で生まれたのが判断されることになります。