イタリアの無人島であるブデッリ島に33年間1人で暮らしていたマウロ・モランディ氏は「無人島生活」に満足していましたが、イタリアの海洋公園当局によって島を追い出されてしまいました。彼は82歳という年齢で都会で新生活を送ることになったとのことです。
モランディ氏は1989年にイタリアからオセアニアにあるポリネシアまでの航海にチャレンジした際に偶然にもブデッリ島に辿り着きました。この島の澄んだ水と美しい景色に魅了されたモランディ氏はその後、この島の管理人として1人で住むようになったとのことです。
33年間の島で暮らす中で時々、観光客などが訪れることもありましたが、モランディ氏は島での大半を1人で暮らしており「島に生息する鳥と猫だけが仲間でした」と語っています。孤独な生活であったものの、モランディ氏は非常に満足な生活を送れていたそうです。
そんな彼の生活でしたが、2016年に転機が訪れます。イタリア政府がブデッリ島を国立公園に認定し、モランディ氏に退去命令を出すことになりました。当時、モランディ氏が島での居住権を訴えたことと国民の反発に遭ったことで立ち退きはなくなりましたが、2021年に海洋公園当局の要請を受けて「島を去ること」を決意したとのことです。
モランディ氏は2021年5月にラ・マッダレーナ島に移住し、自身の年金を使ってアパートを購入し、新生活をスタートさせました。同氏は「長い間、私は1人で生きてきました。正直、島での晩年の生活は孤独を楽しむようなことがなくなっていたのが事実です。今は人とコミュニケーションを取る生活を送っており、私の人生において、新しい展開を見せているのです」と語り、十分すぎるほど長い孤独な生活を過ごした後の今の生活は十分刺激があり、楽しめていると述べていました。