新型コロナの変異株「B.1.1.529」登場にイギリスが渡航制限実施、対象国は禁止措置を不服と主張

記事作成時点の日本では新型コロナウイルス感染が非常に収まっている状況ですが、他の国では依然として感染拡大が続いています。そんな中、2021年11月25日には新型コロナウイルスの新たな変異株「B.1.1.529」がアフリカ諸国で検出。これを知ったイギリスはアフリカ諸国への渡航禁止措置を行いましたが、禁止対象となった南アフリカはイギリスの決定を不服としているとのことです。

新たな変異株として確認された「B.1.1.529」は南アフリカ、ボツワナ、香港でごくわずかながら検出しただけとなっています。しかし、感染力が強い変異株と知られているデルタ株よりもB.1.1.529の方がはるかに変異数が多いことが確認されており、研究者の間でもデルタ株以上の感染力を持つ可能性があると懸念されています。

このため、イギリスは自国内で変異株「B.1.1.529」の感染拡大を防ぐため、2021年11月26日から南アフリカ、ナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、レソト、エスワティニへの渡航を一時的に禁止する対応を実施。これにより、イギリス国民はこれらのアフリカ諸国への渡航ができなくなっています。

この対応に対し、南アフリカで外務大臣を務めるナレディ・パンドール氏は「今回の(イギリスのとった)対応は両国の観光産業とビジネス両方に大きなダメージを与えるものです」と述べており、「B.1.1.529」の危険性について明らかになっていない状況で渡航禁止措置は早計ではないかと疑問に感じているとのことです。

なお、変異株「B.1.1.529」について、世界保健機関(WHO)は具体的な対応策を明示していません。このため、南アフリカは2021年11月26日にWHOに対して、作業部会を緊急開催するように要請しているようです。