体外受精を選んだ結果「受精卵が取り違えられ」他人の子を産んでしまう

不妊治療の体外受精を選択した夫婦から「どちらのDNAも持たない」他人の子どもが産まれてしまうという事件が発生しました。調査によると、この夫婦の体外受精を担当した不妊治療クリニックで「受精卵の取り違え」を起こしてしまい、別の夫婦の受精卵を入れてしまっていたとのことです。

アレクサンダー・カルディナーレさんとダフナ・カルディナーレさんの夫妻は娘を出産してから2ヶ月経って、その事実を知ることになったのですが、それ以前から子どもが成長するにつれて「自分たちに似ていない」と違和感を持つようになったそうです。アレクサンダーさんは当時について「私にも妻にも似ていないので非常に混乱しました。もし体外受精を選んでいなかったとしたら、『遺伝の影響なのだろう』と考え直したと思います」と語っています。

体外受精を選択したのにも関わらず「夫婦どちらにも似ていない」ことから、万一の可能性があるとして、カルディナーレさん夫妻はDNA検査を受けることにしました。このDNA検査の結果、「この子はカルディナーレ夫妻の子どもではない」ことが判明。体外受精を担当した不妊治療専門クリニック「California Center for Reproductive Health」が疑われることになりました。

そして、クリニックでの調査の結果、カルディナーレ夫妻の受精卵を別の夫婦のものと取り違えられていたことが発覚。カルディナーレ夫妻の本当の子どもも無事出産されており、別の夫婦の娘となっていることが明らかになりました。その後、この2組の夫婦は数週間に渡って話し合い、最終的に互いの女児を交換する決断をしたとのことでした。

記事作成時点でカルディナーレ夫妻はCalifornia Center for Reproductive Healthとその院長を相手に「医療過誤」「過失」「詐欺」で訴訟を起こしているそうです。しかし、この問題により知り合った2組の家族は「家族ぐるみの付き合い」をするほど仲が良く、休日や誕生日は互いの女児を含めて6人で過ごすようになっています。