「Safariから不正に個人情報を収集」GoogleがiPhoneユーザーから集団訴訟を起こされるも勝利する

Googleが不正にiPhoneなどの端末にインストールされているモバイル版SafariからユーザーのCookie情報を不正に入手してプライバシーを侵害したとして、集団訴訟を起こされていました。2021年11月10日にイギリスの最高裁判所は原告側の主張を棄却し、敗訴とする判決を下したとのことです。

この訴訟はユーザーがSafariの設定でCookieをブロックする設定を行ったにも関わらず、Googleが密かにブロックされたはずのCookieを入手し、iPhone所有者のプライバシーを侵害したと主張していました。しかし、Googleは訴訟内容について「事実無根」とする主張は行っておらず、不正にユーザーのCookie情報を入手していた事実は認めています。実際、Googleはアメリカで2250万ドル(約25億5000万円)の罰金が課されている状況です。

弁護士でもあり、プリンストン大学でコンピューターサイエンスの助教授を務めるジョナサン・メイヤー氏は「iPhoneなどにインストールされているモバイル版Safariの初期設定では第三者や広告主からのCookieをブロックする設定が適用されています。しかし、Googleや複数の広告会社はSafariを騙してCookie情報を入手していることを確認しました」と語っており、これらの会社はユーザーの同意なしに「ユーザーの行動を追跡するための」トラッキングCookieを裏技的な方法で設定していることを確認したそうです。

イギリスで行われた集団訴訟では一度目の裁判でGoogleが勝訴、その後の控訴審ではGoogleの敗訴となっており、最高裁で全てが決する状況となっていましたが、2021年11月10日の最高裁の判決で原告側の主張が棄却されました。

判決では「原告側の主張を認めるにはGoogleが『入手した個人のデータを違法に使用したこと』そして『被害者がGoogleによって何らかの損害を被ったこと』の両方を示す必要がある」として、原告側がこの両方を裁判の中で示すことができなかったことから、訴えを棄却したと説明しています。