カラス被害に悩む都市が「レーザー光での撃退」を提案、非人道的すぎると非難する声も

画像: YouTube (NBC Bay Area)

アメリカのカリフォルニア州にあるサニーベールでは毎日のように数千羽のカラスが飛び回ることで糞害や騒音に悩まされる状況が記事作成時点で続いています。このため、同市の市長は「レーザーポインターの光を当てて追い払う方法」を試すためのパイロットプログラムを実施すると発表しましたが、非人道的すぎるなど批判の声にもさらされているとのことです。

サニーベール市では数千羽のカラスが毎日飛び回っており、屋外に設置されているベンチや歩道が糞で白く汚れてしまったり、カラスの鳴き声でうるさい日々を過ごさざるを得なくなったりと市民からも多くの苦情が寄せられているようです。糞害で歩道が汚れている様子はABC7 Newsが公開しているニュース映像で確認することができます。

このため、同市では数千羽のカラスを撃退すべく、カラスの天敵の1つとして知られるハヤブサを飼ったり、木に反射板を付けたりと様々な方法を試しましたが「いずれの方法も効果が全くなかった」とサニーベール市長を務めるラリー・クライン市長が述べています。

そこで、同市長は新たな対策として「数千羽のカラスにレーザーポインターから発せられるレーザー光を照射して撃退する方法」を提案。クライン市長は「数週間ごとに歩道を清掃するために何百ドル(数万円)もかけるよりは、20ドル(約2300円)のレーザーポインターで撃退できるなら経済的です。これで糞害による衛生面の問題も同時に解決できるなら一石二鳥なのです」と説明しました。

しかし、自然保護団体であるサンタクララ・バレーオーデュボン協会のマシュー・ドダー氏は「レーザーポインターが照射するレーザー光が目に当たると、最悪の場合は失明してしまいます。鳥が失明してしまうということは飛ぶことも餌を食べることもできなくなるため、カラスたちに『死刑宣告』をすることになるのです」と述べ、動物愛護の観点でも問題があるとしています。

また、ドダー氏の発言はYouTubeのNBC Bay Areaのニュース映像で確認できますが、このコメント欄でも「非人道的」など批判する意見が寄せられていました。