ファイザーのCEO「反ワクチンを呼びかける人々は犯罪者だ」と発言

画像: Flickr(GoToVan)

新型コロナウイルスワクチンの開発元として知られ、新型コロナによる入院・死亡リスクを89%減少させる経口治療薬「パクスロビド」を開発したファイザー(Pfizer)のCEOを務めるアルバート・ブーラ氏は2021年11月9日に「ワクチンに関する誤った情報を根拠もなく広めて、反ワクチンを扇動する活動家は犯罪者だ」と語っていたことが明らかになりました。この発言はブーラ氏がアメリカのシンクタンクであるAtlantic CouncilのCEOを務めるフレデリック・ケンペ氏との会話の際に出てきたとのことです。

ブーラ氏は新型コロナウイルスに関する誤った情報を広めているのは「ごく少数」のグループであるとしており、そんな彼らは「決して悪人ではない」としています。しかし、同氏が虚偽の情報を広める人々を犯罪者だと断じている理由は「彼らは誤った情報を広めて、文字通り何百万人もの命を犠牲にしてきたから」だと説明しました。

過去には反ワクチン派としてワクチン接種を拒否し続けていた女性が新型コロナウイルスに感染し、自宅にいた4歳の娘にウイルスを移して死なせてしまうなどといった、後から「反ワクチンを謳っていたこと」を後悔してしまう悲劇的な出来事が多々起きてしまっており、これらの問題は「誤った情報を広める人々」の影響で起きているとブーラ氏は述べているのです。

このブーラ氏の発言はアメリカの非営利団体「Kaiser Family Foundation」が行った調査で「新型コロナウイルスやワクチンに関する虚偽の記述」について「真実だと思う」「事実かもしれない」と思っている人が80%に及ぶ調査を受けて発言したものです。同氏は虚偽の情報を発信する人々こそが「人々の感情を利用して金儲けを企む人々が『陰謀論』を生み出している元凶」であるとしています。

2021年11月8日にアメリカ疾病予防管理センター(CDC)が発表した情報によると、同国では4億3211万1860回のワクチン接種が行われており、成人の70%以上がワクチンを2回接種したとのこと。しかし、記事作成時点では接種者の数の増加が鈍化しており、この状況が反ワクチン思想による影響ではないかと疑われています。なお、2021年11月9日現在のアメリカにおける新型コロナウイルスの新規感染者数は8万3651人となっており、落ち着く兆しは全く見えていない状況です。