「懲役22年のはずが約5年で」韓国の朴槿恵元大統領が釈放される、理由は体調悪化

画像: Flickr (Republic of Korea)

2017年に一般人を国政に介入させたとして韓国大統領を罷免され、2018年に職権乱用と強要の罪で22年の実刑判決を受けていた朴槿恵(パク・クネ)氏ですが、2021年12月24日に恩赦が与えられ、釈放されることになりました。朴氏は2021年に3度体調悪化で入院していたとの理由から恩赦が与えられたとのことです。

2003年以降の韓国において大統領経験者の多くは在任期間終了後に汚職等の理由で逮捕されているのですが、朴氏の場合は大統領在任期間中に弾劾された初の大統領となります。彼女は自身の親友である崔順実(チェ・スンシル)受刑者と結託して、同国の大手企業であるSamsungなどの複数の財閥系企業に圧力をかけ、崔氏の運営する財団に多額の資金を提供させた疑いなどがかけられていました。

朴氏は当初懲役30年、罰金200億ウォン(約19億3000万円)の判決を受けたものの、その後の高裁の判決で懲役22年に減刑。その後、同氏は収監されることになりました。なお、この事件は韓国の政界トップと財界トップが裏での繋がっていたことが露わとなった事件となり、韓国国内でも大規模な抗議活動が行われていたことが知られています。

収監後の朴氏は椎間板ヘルニアや肩の疾患などで度々入院しており、2021年には3度入院していたようです。地元メディアは「韓国の(新年に行われる)特別恩赦の対象として、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は健康状態の悪化が懸念されている朴氏をリストに加えた」と報じています。

なお、この特別恩赦には韓国初の女性首相となり、2015年に収賄罪で2年の実刑判決を受けたあと出所していた韓明淑(ハン・ミンスク)氏も含まれています。韓氏には復権措置が行われるとのことです。