「回復後3カ月は不調?」新型コロナ感染で精子の質が低下する可能性が研究で指摘される

記事作成時点において、日本では新型コロナウイルス感染の拡大は収まりつつも、オミクロン株の感染拡大する可能性もあり、楽観できない状況になっています。そんな中、新型コロナウイルスに感染すると「男性の精子の質」が低下するかもしれないことを指摘する研究が発表されたとのことです。

この研究は2021年12月20日にFertility and Sterilityで発表されたもので、新型コロナに感染して、回復したベルギー在住の男性(平均年齢35歳)120人の精子を調査したもの。研究者によると「子どもを作りたい夫婦は新型コロナから回復して3カ月程度経過しないと、精子の質が低く、セックスしても妊娠に至りにくい可能性がある」とのことです。

報告された内容では新型コロナ感染から回復して1カ月以内に採取された35人の男性の精液を調査したところ、精子の運動能力が60%低下しており、精子の数も37%減少していたことが確認されました。しかし、時が経つとその傾向も回復するようで、回復後1カ月から2カ月の間に採取された51人の精液では運動能力の低下がみられた精子は37%、減少した精子の数も29%に収まっていました。

回復から2カ月以上経過すると、運動能力の低下した精子は28%、精子の数の減少は6%となっていたとのことです。このため、研究者は「これらの結果から精子の数や運動能力の低下が完全に回復するのは、新型コロナ感染から回復後3カ月と考えています」と述べていますが、生殖能力の低下が発生するかどうかについては今後もさらなる検証が必要であるとのことでした。

今回研究に携わった研究者たちは「今回確認された精子の数の減少自体はほとんどの男性では解消されると見込んでいる」ようですが、一部の男性には恒久的に残る可能性があるとして、さらなる追加調査を行うとしていました。