「もう死ぬしかない」タリバンの支配後、アフガニスタンの少女が悲痛な現状を訴えるムービーが拡散中

画像: Twitter(Masih Alinejad)

アメリカのバイデン大統領の命により、アフガニスタンに駐留するアメリカ軍が撤退を開始しました。すると、直後に政権が崩壊し、反政府武装勢力のタリバンが政権を強奪。その後はものすごい勢いで各地を侵攻し、あっという間にアフガニスタン全土が占領されることになりました。そんな中、タリバンの支配により、「自分たちに未来はない」と悟った現地の少女がカメラの前で語るムービーがTwitterで拡散されています。

2001年にアメリカ軍に進行されるまでのアフガニスタンではタリバンが政権を担っていました。この当時は古いイスラーム法による統治が行われていたことで婚姻拒否のほか、自由恋愛をしたり、強姦されることを含む性交渉を婚前に行ったりした女性を殺害するという名誉殺人が横行しており、女性の権利が非常に弱い状態でした。

そして、今回のタリバンが占領した各都市ではタリバンの戦闘員から12歳の少女が結婚を強要されるといった旧タリバン政権時代と似た状態が相次いでおり、国際的にも批判の的となっています。このようなことから、今回アメリカ軍の撤退を指示したアメリカのバイデン大統領に対する批判が国内外で強まっている要因とされています。

そんな中、ジャーナリストであり活動家行っているマシィ・アリ・ネジャド氏は自身のTwitterアカウントにおいて、アフガニスタンの少女がカメラの前で「自分たちに未来がない」現状に対する絶望感を涙ながらに訴えているムービーを投稿しました。

このムービー内で少女は「アフガニスタンで生まれたらモノを数えることができません。そして、こんな私達のことを誰も気にかけてくれません。生きる意味なく死ぬしかない私達はおかしくないでしょうか?」とカメラの前で泣きながら訴えており、ただ女性として生まれただけで学習機会も与えられず、そして世界から見放されてしまった現状に絶望を抱いている様子が見て取れます。

アリ・ネジャド氏がこのムービーを投稿した日には国連で事務総長を務めるアントニオ・グテーレス氏が「タリバンの支配地域ではすでに女性とジャーナリストを対象に制約を課しているようです。特にアフガニスタンで暮らす少女や女性がこれまでに苦労して獲得した権利が剥奪されているという報告を目にするだけで心が痛みます」と声明を発表しました。

なお、アリ・ネジャド氏はアメリカ軍駐留時代の2019年当時のムービーも同じアカウントで公開しており、ここではバスの中で女性が楽しそうに歌を歌っている様子が確認できます。アリ・ネジャド氏はこのままタリバンによる統治が続けば「こうした女性たちは自由に外出すらできなくなるでしょう」と語っています。