「ウクライナ戦争は敗北?」プーチン大統領失脚に向けてロシア国内で様々な動きがあるとの見方も

画像: Flickr (haberlernet NET)

2022年2月24日に開始されたウクライナ侵攻において、記事作成時点でロシア軍は甚大な被害を受けていると報告されています。ロシアの安全保障に関する専門家によると、ロシアの治安当局のトップは「ウクライナとの戦争は完全に敗北」と考えていると見られており、ウラジーミル・プーチン大統領の終焉が近づいている可能性を示唆しているとのことです。

この意見を発したのはイギリスの調査報道機関「bellingcat」でロシア関連の調査を担当しているクリスト・グローゼフ氏。彼によると、ロシアの治安部隊内の情報に通じた人物が「戦争は敗北した」と理解していると他のメディアのインタビューで語ったそうです。

グローゼフ氏はロシアが今以上に戦況を良くするには「ウクライナ戦争にロシアの全兵力を注ぎ込む必要があるのですが、これを実際に行ってしまうと、ロシア国内で大きな混乱を招くことになります」と説明。記事作成時点において、ウクライナ侵攻で死亡したロシア兵は数千人におよぶと推定されており、イギリス国防省の発表では「ロシアは軍の3分の1を失った状態にある」と見ているようです。

グローゼフ氏は「こういった状況から、ロシア連邦保安庁は将来に向けた準備を行っているようです」と述べており、実際の死者数(もしくは失った兵力の数)を把握しているロシア当局側は「プーチン大統領失脚に向けた準備」を進めていると指摘。「治安当局関係者の中にはロシアからの逃亡を計画している者もいるようです」と彼は語りました。

また、ウクライナ側の発表ではありますが「ロシア国内でもプーチン大統領失脚に向けたクーデターの準備が進行中である」との見方もあるようで、このウクライナ侵攻によって、プーチン大統領の権力が失われつつある状況になってきているとのことでした。