「私は隠れていない」ゼレンスキー大統領、ウクライナ侵攻開始後初めて自身の事務所からビデオ演説を実施

画像: YouTube (Forbes Breaking News)

北大西洋条約機構(NATO)やウクライナの一部地域を実効支配している親ロシア派の保護を謳うロシアによって、ウクライナは武力による侵攻を受けています。そんな中、2022年3月7日の深夜にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は2022年2月24日のロシアの軍事侵攻開始以来、初めて首都キエフの大統領府に戻り、ビデオ演説を行ったとのことです。

ゼレンスキー大統領は自身のInstagramアカウントでムービーを公開し「私は隠れるようなことはせず、ここキエフのバンコバに留まっています。ここに留まることは(ウクライナの勝利にとって)必要なことであるため、この戦争で勝利するまで私は何も恐れません」と語りました。

ムービーの冒頭では「今は月曜日の夕方です。皆さん知っての通り月曜日は(週のはじまりのため)大変です。しかし、今は戦争中であるため、毎日が月曜日なんですけどね」と述べており、緊張状態を切ることができない現状を吐露していました。しかし、同氏はロシアによる侵攻が開始してから13日間経過しても退避するつもりはなく、ロシアとの交渉を続けると明言しています。

同大統領は「私たちは(ロシアのプーチン大統領と違って)現実主義の人間です。当然、今後も国民の平和のために交渉を引き続き行っていきます。もちろん交渉に妥協はありませんが」と発言。また戦争終了後については「侵攻で破壊された都市はロシアのどの都市よりも立派なものにします」とも述べており、戦後は国民にとって、より良い暮らしができるように復興させる決意を持っていることも示しています。実際のゼレンスキー大統領のビデオ演説の様子はYouTubeのForbes Breaking Newsで確認することが可能です。

ゼレンスキー大統領はロシア軍に激しい抵抗を行っているウクライナ軍についても言及しており「抵抗の積み重ねが今後により良い状況を作り出すということを認識してください。今後というのは戦後であり、激しい抵抗を見せ続けることでより平和な未来が訪れることになるでしょう」と語り、辛抱強く抵抗を続けてほしいと述べています。

また、同大統領は先日行われたロシアとの停戦交渉の際に合意した(戦争に参加しない民間人を安全に避難させるための)人道回廊についても言及。「ロシアにとって、人道回廊は戦車を動かして攻撃するためのものだった」とゼレンスキー大統領は述べ、一般市民を攻撃したロシア側を批判していました。

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