Appleが「気候変動問題に対する解決策を生み出すため」220億円規模の基金を設立

地球温暖化などの影響で生じる気候変動は日本やアメリカなど先進国を中心に大きな話題となっています。このため、日本でも買い物時に無料で配布されていたビニール袋を有料化するなど、CO2削減を目的としていた活動を行っており、企業レベルでもIR資料にも環境問題への対応を記載するなど関心の高い分野です。そんな中、AppleではCO2を「年間100万トン」削減することを目標に2億ドル(約220億円)の基金を設立したとのことです。

Appleが発表した基金は主に「植樹」を主体としたCO2削減を目標としています。同社が具体的な目標として掲げていることは、「2030年までに(CO2排出量と生産量を同じ量にする)カーボンニュートラルの状態になる」ことです。

このため、Appleは同社のサプライチェーンおよび製造から75万トンのCO2の排出を削減し、残りの25万トンは今回設立した基金での活動で削減するとのこと。Appleで副社長を務めるリサ・ジャクソン氏は「弊社が利益とCO2削減を両立することで、世界レベルでのCO2排出量削減に向けた投資事業を企業活動のトレンドにしたいと考えています」と語り、この活動がApple以外の企業でも活発化する足がかりになれば良いと説明しています。

Appleによると、今回設立した基金が投資するプロジェクトは森林管理協議会や気候変動問題への投資を推進するVerraと協力して決定していくとしています。なお、この投資に対する利益目標についてはAppleは明言しませんでした。

しかし、CO2排出量を削減するために植樹を行う方法は「必ずしも効果がある」とは言い難い状況です。実際、世界経済フォーラムでは1兆本の木を植えるプロジェクトを開始しました。同プロジェクトは「この取り組みが環境に与える影響はとても大きい」としていますが、根拠となる研究結果が「植樹による効果を過大に評価したもの」であることが研究者によって指摘されています。