南フランスを訪問中のエマニュエル・マクロン大統領が「思いっきり」ビンタされるという騒動があり、平手打ちした男性が逮捕されました。この事件の翌日である2021年6月10日に大統領をビンタしたダミアン・タレル容疑者に4ヶ月間の懲役刑が科せられたとのことです。
フランスのドローム県のヴァランスにある裁判所は公権力のある人物に対する暴力行為の罪でタレル容疑者に有罪判決が下されました。タレル容疑者には懲役4カ月、執行猶予1年2カ月の判決が下されており、「公職に就くこと」および「武器の所持」が5年間禁止となりました。
タレル容疑者は自らを極右の「愛国者」であると名乗り、2018年と2019年にはフランス政権への抗議活動を行う黄色いベスト運動のメンバーであることも裁判中に明かしました。同容疑者は「ビンタした理由」について、衝動的なものではなく「フランスの衰退」に対する怒りがきっかけだったとしています。
しかし、タレル容疑者は「エマニュエル・マクロンはフランスの衰退の象徴だ」と主張するばかりで「何が衰退しているのか」を具体的に説明することはありませんでした。
一方のマクロン大統領はテレビのインタビューで「私は長時間、多くの人たちを待たせてしまっていたのだから、ビンタを食らうのは大した問題ではありません。」と語っています。しかし、極左政党や極右政党の政治家は「マクロン大統領への暴力を用いた主張」を強く批難しており、公権力を持つ人に対する暴力行為は厳しく取り締まるべきだと主張しています。
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