「ワクチンを受けてはいけない」葬儀屋の広告に秘められた「本当の意味」とは

画像: Twitter(BooneOakley)

アメリカのノースカロライナ州でアドトラックが葬儀会社の広告として「反ワクチン」を掲げており、多くの人々に衝撃を与えました。しかし、その本当の意味は反ワクチンではないことが明らかになったとのことです。

このアドトラックには「Don't get vaccinated(ワクチンを受けるな)」と大きく書かれており、その下に広告主の葬儀会社名とURLが記載されています。しかし、この広告を見た人が実際のURLにアクセスすると、そこは葬儀会社のWebページではなく「今すぐ、ワクチンを受けましょう」と書かれたページが表示され、医療機関へのワクチン予約のページが表示されるそうです。

この広告はアメリカの当局が意図的に行ったもので、担当者によると「これまでの『ワクチン接種を謳う』広告ではうまくいかなくなっているのです。例えば『Get the Shot』や『Get Vaccinated』などのメッセージは多くの人々が見慣れていて、反ワクチンの人々への影響は少なくなっているのが現状です」と語り、通常のワクチン接種を先導するメッセージは効果がなくなってきているとのことです。

アメリカでは新型コロナウイルス用のワクチンは大量にあるものの、2度ワクチンを接種した人口は記事作成時点で国民の54.7%ほどで伸び悩んでいる状況です。このため、今回の広告を作成した広告代理店のBooneOakleyのオークリー氏は「今回の広告を作成した目的は単純に『人々にワクチンを接種してほしい』という思いだけで作っています」と語り、純粋な気持ちで作成したとしています。

この広告による効果はあるようで「あの広告を見たから受けようと決意しました」という声が多く、アドトラックが走り出して以降、ワクチン予約のアクセスが「大幅に増加した」ことが明らかになっています。