Valveより発表されたSteam Deckは通常、家でしかできないPCゲームを外に持ち出して遊べるポータブルゲーム機です。Steam Deckにはストレージ容量で3タイプのモデルが存在しており、一番廉価なモデルはストレージにeMMCが採用されており性能的に厳しい印象がありましたが、技術仕様上は他モデルに搭載されているNVMeの高速SSDを自身の手で接続できる可能性があることが判明しました。
Steamと言えば、PCゲームを中心としたダウンロード販売のほか、マルチプレイヤー向けのサポートなども行われています。その利便性の高さからPCゲーム愛好家の間では高いシェアを誇っているのですが、そんなSteam上のゲームを外に持ち出して遊べるポータブルゲーム機「Steam Deck」が発表されたことで、PCゲーマーを中心に非常に注目を集めています。
Steam Deckは2021年12月から欧米で販売開始予定となっており、日本では2022年以降の発売予定です。販売されるモデルはストレージ性能(および容量)で3タイプに分かれており「64GB eMMCモデル(399ドル:約4万4000円)」「256GB NVMe SSDモデル(529ドル:約5万8000円)」「512GB NVMe SSDモデル(649ドル:約7万1000円)」となっています。3タイプの金額は欧米向けのもので、日本発売時には輸送等の関係で値段が高くなると思われます。
画像: Valve
しかし、これらの3モデルは全て同じハードウェアが使用されており、廉価モデルではNVMe SSDを接続するためのM.2ソケットが「そのまま空いている」状態であると予想できます。このため、廉価版を購入し、M.2ソケットにSteam Deckに接続可能なM.2 Type 2230のNVMe SSDを取り付けることができれば、本来販売モデルに存在しない「1TB」モデルを作り上げることも可能になるかもしれません。
しかし、理論上はストレージを後付けできることが可能というだけで、実際にSteam Deckの内部ストレージを後付けのSSDに変更できるかどうかは不明です。そもそも、OSの内蔵ドライブを変更すること自体が難しく、システム側でこのような措置が想定されていなければ、ユーザー側でどうにもできない部分でもあります。
このため、eMMCモデルをNVMe SSDモデルに変更するような「Steam Deckの魔改造」を考えている人は高いお金で購入したゲーム機を壊す覚悟で行いましょう。おそらくですが、改造するにはそれ相応の知識が要求されることとなり、「はんだごて」などの機器も必要になる可能性があります。