大手CDNサービス「Akamai」が設定変更作業の不具合でダウン、PSNなど大手サイトが一時不通に

画像: Flickr(Chris Rycroft)

日本時間の2021年7月23日午前1時ごろ~午前2時ごろの約1時間に渡り、Akamaiが運営するコンテンツ・デリバリ・ネットワーク(CDN)サービスが停止したことが明らかになりました。サービス停止時は同社内で設定変更作業を行っており、作業の影響でDNSの動作に問題が発生したことが原因であるとみられています。

CDNはWebサイトに過度なアクセス集中が発生してもダウンしないような仕組みを提供するサービスです。Webサイトを運営するのに必要なのはWebサーバーですが、このサーバーが捌ききれないアクセスが発生すると「Webサイトが表示できない」ユーザーが生じてしまいます。しかし、サーバーの性能は簡単に引き上げられるものではないため、アクセスの多いWebサイトでは世界各地にWebサイトの複製(キャッシュを配置し、最短距離にあるサーバーを優先的にアクセスできるようになる大手CDNサービスが使用されているのです。

今回発生した障害について、Akamaiは「ソフトウェア設定の更新作業を行っていた際にDNSの動作に不具合が発生した」と説明しており、設定変更に起因して「Webサイト表示の前に行われる接続先サーバーのIPアドレスを確認する処理で問題が発生するようになった」ことでWebサイトへの接続ができなくなったとのことです。

この障害により、SONYが運営する「PlayStation Network」の他、日本航空(JAL)、Steamなどのサービスが一時不通となりました。しかし、日本では深夜帯での障害発生だったため、そこまで大きな被害はないと考えられます。

ペンギン議長の一言
大手CDNサービスの障害は直近2カ月の間で3度目です。

2021年6月には「Fastlyの大規模障害(ソフトウェアの検出困難なバグ起因)」「Akamaiへの攻撃による短時間の障害」そして「今回の障害」が発生しています。前者2つの障害を防ぐのは正直厳しい印象ですが、今回の障害が「事前に防ぎきれた問題」であれば、Akamaiとしては明確な対策が求められるかも知れないですね。