スマートフォンやタブレット端末がその製造元であるAppleやGoogleに何らかのデータを送信していることは多くの人が知っているはず。しかし、データ送信頻度がどれくらいで、どんな情報が送信されているかについては知る人はほとんどいないと思います。そんな中、私たちが使用しているスマートフォンがどんな情報をどのように送っているかダブリン大学の研究で明らかになりました。
ダブリン大学の研究では「iPhoneはApple宛に、Android端末はGoogle宛に、それぞれ270秒ごとデータを送信しており、たとえ、ポケットやバッグの中で使用していない状態でもそのような動作をしている」ことが明らかになりました。
また、データ送信量を見ると、24時間でiPhoneは104KB、Androidは2MBのデータを送信しているとのこと。このとき送信しているデータはどちらも大差はなく、「端末のシリアル番号」「IMEI」「WiFi MACアドレス(どのWiFiネットワークに接続していたかの情報)」「電話番号」などの情報が含まれているとのことでした。
これについて、同大学でコンピュータ・サイエンスと統計学の教授を務めるダグラス・リース氏は各企業に送信される情報について「iPhoneがデータ送信している情報はAndroid端末に比べてセキュリティレベルが低く、プライバシー情報の保護レベルが低い」と主張しており、Androidの方が送信するデータの暗号強度が高いため、暗号化したデータのデータ量が多くなっていることを示唆しています。
さらにリース氏は「今回の調査でAppleとGoogleが大量の情報を収集していることがわかりました。iCloudやGoogle Driveなどのサービスを使用するためにデータを収集するならわかりますが、これらを使用しないユーザーからもデータを集めることは納得いきません」と語っています。
同氏によると、収集した情報を統合して解析することでユーザーが「いつ」「どこで」「どの人にの近くにいたのか」といった情報を把握できる可能性があるとのことでした。
この研究について、Googleの広報担当者は「この研究はスマートフォンがどのように機能するか示したものです。例えば、最近の自動車は『部品や安全性の状況』『サービススケジュール』などの情報を自動車メーカーに定期的に送信しています。それと同じことをスマートフォンでもやっているのです。これのおかげで、iOSやAndroidが『最新の状態であるか』『サービスが意図した動作をしているか』『スマートフォンが安全で正しく動作しているか』を確認することができます」とコメントしています。
なお、Appleはこの研究について、記事作成時点でコメントをしていません。