「無人パトロール実現へ」AIを利用して群衆の異常行動を検知できるドローン技術が開発される

世界中の法執行機関では「さまざまなテクノロジー」を駆使して犯罪を阻止したり、対応時間の削減に取り組んだりしています。その中でも使用されているテクノロジーの多くがドローン(無人航空機)なのですが、チェコで開発されたドローン技術は「人間の脳に似た方法で状況を分析して異常行動を検知できるシステム」であるとのことです。

チェコのブルノ工科大学と同国の警察の共同研究プログラムとして開発されたドローンシステムはニューラルネットワークを用いた人工知能(AI )が使用されています。この技術を用いることでドローンが撮影した映像を元に群衆の監視に加えて、交通の監視にも使用できるとのことです。

ブルノ工科大学の情報学部を学士であるデイビッド・ベジュー氏によると「ドローンで撮影された映像は小さなセルに分割されます。そして、システム側で分析を行い『何が行われているのか』『何が起きているのか』の全体像を把握します。その後、映像で確認できた状況から推測される行動モデルを構築し、異常があると判断すれば、管理者に報告する仕組みです」とのことで、ドローンが撮影した映像を元に異常の有無を判断できる仕組みが実装されているとしています。

このドローンシステムはまだチェコ共和国内で実践導入はされておらず、まだ実地テストに向けた試験段階のものです。しかし、サッカーのフィールドで選手を使った検証を行ったところ、ドローンシステムは試合中は特に問題を検知せず、意図的に何人かの選手に地面に寝させたところ、システムは直ちに異常として検知したとのことです。

画像: ブルノ工科大学(David Bažout)

研究チームはこのシステムの利点について「リアルタイムに状況を学習・分析して判断を下すため、警察が状況を見て対応策を練るのに必要な時間をなくすことができる」ことを挙げており、異常を検知したら、即時対応が必要な機関を呼ぶことが可能になるとしています。チェコ警察は実地での試験を開始する予定であるとしています。