Wikipediaで突然「編集テロ」が発生、著名人のページがナチス・ドイツの国旗に置き換えられてしまう

画像: Twitter(Ben Travis)

Wikipediaと言えば、誰でも編集できるオンライン百科事典のサービスでそれぞれの項目には「確証は得られないまでも大体合っていることが書かれている」ことから利用する人が多いです。そんな中、海外ではWikipediaの複数の著名人のページを対象に「編集テロ」とも言える破壊行為が行われ、ページの中身がナチス・ドイツの国旗に置き換えられるという事件が発生しました。

2021年8月16日に発生したWikipediaへの破壊行為とも言える「編集テロ」による被害を受けたのは俳優のジョニー・デップ氏やベン・アフレック氏、ジェニファー・ロペス氏のほか、アメリカのカマラ・ハリス副大統領、カナダのジャスティン・トルドー首相など、多くの著名人のページが改ざんされる被害を受けました。

Wikipediaの広報担当者によると、「ページの改ざんに気づいた別のユーザーが改ざんされたページをもとに戻し、編集できない措置を行った」と語り、各ページともに改ざんから5分以内に復旧していることを確認したそうです。Wikipediaでは過去にこのような事件は何度も起こっていることから、対応策は幾重にも用意されているようで「編集テロ」発生後は即時に対応できる仕組みが整っているとのことです。

実際に編集テロ発生時の画面を保存したユーザーもいたようで、映画雑誌の編集作業を行っているベン・トラビス氏はTwitterで事件発生当時のスクリーンショットを投稿しています。トラビス氏は「Wikipediaはハッキングされた?なんかナチス・ドイツの旗が出てくるんですけど」とコメントしていました。

今回、ナチス・ドイツの国旗がWikipediaのページに掲載されたのはアメリカでの「反ユダヤ主義思想」が増加しているからという味方もあるそうです。名誉毀損防止同盟(ADL)によると、2020年には3000件以上の反ユダヤ主義思想に関連した事件が発生しており、1979年以降では過去3番めに多い年となったとのこと。

このようなことから、2021年7月中旬頃にカリフォルニア州で発生した山火事については「ユダヤ人がレーザービームを発射したから山火事が発生した」とする反ユダヤ主義思想の陰謀論を支持する政治家まで出てくる状況となっているというのが現状です。