ブタの顔をした「奇妙なサメ」が引き上げられる

画像: @isoladelbaapp(Newsflash/Daily Star)

イタリアのエルバ島にあるポルトフェライオの街にあるマリーナの水域に浮かんでいた変わったサメをイタリア海軍の士官が発見しました。発見した士官はサメを引き上げたところ、サメの体にブタの顔をした「まるでキメラだと思えてしまうような」異様な姿をしていたとのことです。

当初、引き上げた船員たちはサメの異様な姿に「突然変異の個体ではないか」と考えていたようですが、後の調査でこのサメは「アンギュラー・ラフシャーク」と呼ばれる絶滅危惧種に認定された希少種であることが確認されました。

アンギュラー・ラフシャークは東大西洋と地中海に生息しており、通常は水深700メートルの深さの場所で生活しています。このため、このサメが人に目撃されることはほとんどないのですが、漁業を行っている漁師に混獲されるケースが多く、結果的に個体数を減らし、記事作成時点では絶滅危惧種に認定されています。

画像: @isoladelbaapp(Newsflash/Daily Star)

エルバ島の水族館に務めるユーリ・ティベルト氏は「アンギュラー・ラフシャークは水に引き上げたときにうなり声のような特徴的な音を出すため、一般的に『豚魚』とも呼ばれています」と語り、このサメが見た目通りの通称名が付けられていることを明かしました。

同氏によると「エルバ島のトスカーナ群島の海では地元の漁網にかかった『豚魚』の報告を受けることがあります。絶滅危惧種のため、水族館の水槽で飼育することも考えたこともありますが、飼育に適さない種であることが判明したため、断念した経緯があります」として、アンギュラー・ラフシャークの種の保全は難しいとのことです。