記事作成時点において、イギリスでは全国的なガソリン不足が深刻化し、ガソリンスタンドに長蛇の列ができています。特にイギリス国内の製油所の稼働事態に問題はなく、オイルショックのような事態にはなってはいないのですが、この現象はイギリス国内のトラック運転手不足がきっかけとなっているとのことです。
- Supply crisis: 'Catastrophic' panic buying of fuel 'going to get worse', says industry expert | UK News | Sky News
- Fears of fuel panic-buying in UK as some petrol stations close – POLITICO
今回発生したガソリン不足は燃料を配送するトラック運転手の不足が原因で発生しています。問題が明るみになったのはイギリスのエネルギー関連事業を行っているBPやEssoが所有し、Tescoが運営するガソリンスタンドの一部が燃料を配送するトラック運転手不足により、2021年9月24日に閉鎖されたことがきっかけです。
これにより、イギリスの首都ロンドンやイングランドの南東部を中心に50箇所以上のガソリンスタンドで『なんらかの種類の燃料』が不足している状態が発生。これを機に車を所有する多くの人々がガソリンスタンドに殺到することとなり、イギリス全土でガソリン不足に陥ってしまっています。
このため、イギリスでは首相を務めるボリス・ジョンソン氏などの政府関係者は「既に退職したトラック運転手の再雇用」のほか、「移民規則を緩和して外国人のトラック運転手に対して労働ビザを発給する」等の対応を迫られており、年内の解決を目指して行動を行っているとのことです。
トラック運転手の減少はBrexit(イギリスのEU離脱)が原因ではないかとするデマのような意見もイギリス国内では蔓延しているようです。同国の運輸大臣を務めるグラント・シャップス氏は「Brexitが原因であると指摘する人々もいるようですが、それは完全な間違いです。EU諸国でもトラック運転手の数は不足しており、イギリスだけの問題ではありません」と語り、イギリスが顕著な形でドライバー不足の影響が生じたと説明しています。