「男子の大学離れ」が深刻化、女子率が増え続けると「交配危機に発展する」と大学教授が警鐘を鳴らす

アメリカのニューヨーク大学で教授を務めるスコット・ギャロウェイ氏がCNNのインタビューに対して「大学に通う男性の数が女性の数よりも少なくなっており、今後の『交配危機』に発展する」と語り、これが少子化問題に大きく影響する可能性があると指摘しています。

The Wall Street Journalが2021年9月6日に報じた内容によると、2020年から2021年度末の大学生に占める女性の割合が59.5%(男性:40.5%)となり、過去最高を記録したとのことです。全米教育統計センター(NCES)が発表した結果では「1970年は男性:約59%、女性:約41%」であったことから、この50年で男女比が逆転したということになります。

ギャロウェイ氏はCNNのインタビューに対し「基本的に男子学生は女子学生よりも高い確率で大学中退の道を選ぶことが多いため、男女比の格差は思ったよりも深刻なのです」と語っています。同氏は「このような問題が起きている背景」について、大学の学費の高騰が大きな要因になっていることが原因と見ているようです。

同氏は「大学の学費は高騰しているものの、教育の質自体は旧態依然として何も変わっていません。エリートと呼ばれる大学は学生に『贅沢な体験』をさせることに重きを置いており、入学者を増やそうとする努力はしていないのです」と説明。さらに「大学生くらいの年代の男性は大学進学以外にも選択肢が多いことも要因です」と語り、男性は建設現場で働いたり、警官や消防士、貿易関係の仕事に従事したりすることができるため、大学進学の道を必ずしも選ぶ必要はないと続けています。

ギャロウェイ氏は「アメリカの大学を卒業した女性は『学位を持たない男性』をパートナーにしたがらない風潮があり、今後も学位を持つ女性の割合が増加すれば『男女の交配危機』と呼ばれる現象が深刻化すると考えられます」と述べており、急速な少子化に発展する可能性があると危惧しているようです。

なお、このような現象一時的なものではなく、2021年から2022年の大学出願件数も差が生じている傾向があり、女性の出願件数が380万5978件に対して、男性は281万5810件に留まっています。また、大学によっては男女比が顕著に出ているところもあり、2020年秋のカリフォルニア大学ロサンゼルス校の入学者の9割が女性で埋められているとのことで、状況は今後も深刻化しそうです。