「韓国ドラマの爆発的人気の影響」Netflixが韓国企業から訴えられてしまう

韓国のISP(インターネット回線を提供している)企業のSK Broadbandがドラマや映画などのストリーミング配信サービスを行っているNetflixを相手に訴訟を起こしていることが明らかになりました。この背景には記事作成時点でNetflixで独占配信している韓国ドラマ「イカゲーム」が影響しているとのことです。

「イカゲーム」は謎のサバイバルゲームの大会に「多額の賞金目当て」に参加した人々が「命を懸けたゲーム」に挑戦していくというもので、日本の賭博黙示録カイジ(カイジ)に似たコンセプトの作品です。しかし「カイジよりも面白い」というような評価も多いようで、その評価を裏付けていることもあってか、同作品が配信されている83カ国全てで1位になったことでも話題になっています。

当然、イカゲームは韓国での人気も高く、同国のインターネットトラフィック量も大きくなっており、SK Broadbandの回線での測定では2021年9月時点で1.2Tbpsに到達。この数値は2018年5月の水準と比較すると24倍に跳ね上がっているそうです。

画像: Netflix(イカゲーム)

しかし、SK BroadbandはNetflixが同社への回線使用料として、十分な額を支払っていないとして提訴しました。SK Broadbandによると「Netflixは韓国での回線使用量がYouTube(Google)に次ぐ2位に位置するにも関わらず、AmazonやApple、Facebookなどの他サービスが支払っている回線使用料すら払っていません」と語っており、NetflixがSK Broadbandに対して回線使用料(およびネットワーク機器のメンテナンス費用)の支払いを受けていないようです。なお、使用料を支払っていないのはNetflixとGoogleの2社であるとしています。

Netflix側は「SK Broadbandによって自社のサービスに影響が出ることが懸念される」ことからSK Broadbandとの引き続き交渉を進める方針であるとのこと。なお、Netflix側は「サービス提供側は『コンテンツにアクセス可能にする』以上のことはせず、回線使用料はユーザーが支払うべきもので私達が支払うものではありません」と主張しており、SK Broadbandとの交渉でも同様の立場は崩さないものと考えられます。