「ミツバチの楽園だった?」空き家に数千匹のミツバチが集結してしまう

画像: YouTube(CBS46 Atlanta)

近年、世界中でミツバチの数が減少していることで問題となっていますが、アメリカのジョージア州アトランタにある空き家ではなぜか数千匹のミツバチが集まっていたことが明らかになりました。これらのミツバチは近所の住人に危険が及ぶ可能性が考慮され、2021年10月7日に業者によって、駆除されたとのことです。

この空き家の近くに住む住民によると、ミツバチは2021年の春頃から空き家に群がるようになり、それから徐々に数が増えていったとのこと。駆除される直前には数千匹のミツバチが集結しており、隣の家に住むマシュー・シーズさんは「ハチに刺されるのが怖くて、時々、家を出るのが怖くなり、家(空き家)の前を通るなんてことはできませんでした」と語っています。

こういった事情から、空き家の所有者はハチの駆除業者に依頼し、家の外壁や内部に入り込んだ数千匹の未ミツバチを駆除。シーズさんによると「業者の作業員は全体の98%程度のミツバチを駆除した」と語っていたとのことです。実際に数千匹のミツバチが空き家に集結して群がっている様子はYouTubeのCBS46 Atlantaが公開しているニュース映像で確認することができます。

養蜂に関する非営利団体「Metro Atlanta Beekeepers' Association」で理事を務めるデイブ・マーシャル氏は「物件の所有者がミツバチの駆除を専門の業者に依頼した判断は正しい」と述べています。仮に素人判断で駆除を試みた場合、屋内や屋外にミツバチの大量の死骸が残ることで悪臭を放つ可能性があり、ミツバチの遺した蜂蜜がネズミなどの害獣や害虫を呼び寄せてしまう可能性があるとのことです。

マーシャル氏は「近年、ミツバチの数が減少している現実を考慮すると、『問題が起きても殺さないようにする』選択を選ぶことも重要になるかもしれない」と語っており、駆除を選んだ判断が「必ずしも正しい」と言い切れず、ジレンマに悩まされることになるかもしれないと述べています。