異常なほど「ゆっくり」移動する火球が目撃される

画像: YouTube (CBS Denver)

2022年2月18日の夜にアメリカのコロラド州の上空で流れ星の中でもとても明るいものに分類される火球が観測されました。この現象自体はよく見られるものではあるのですが、今回観測されたものは一般的な火球と比較して、ものすごく「ゆっくり」と移動していたとのことです。

クラウドベイト天文台に務める天文学者のクリス・ピーターソン氏によると、この火球はコロラド州のスティームボートからニューメキシコ州の州境までの非常に長い経路をたどっていたそうです。「火球がこれだけ長い経路を辿るのは珍しいことです」とピーターソン氏が語っています。

また、同氏は「今回観測された火球が辿った経路は一般的な火球と比較しても、非常に平坦であった」と説明しており、この火球自体は地球に落下する前に燃え尽きたか、一度地球の大気圏にぶつかって、反射するような形でそのまま宇宙空間に飛び去っていったかもしれないとしています。

このため、ピーターソン氏は「いずれにせよ、今回の火球が地表面に落下することはないため、私たちはこの隕石を発見することはできませんね」と述べています。実際に観測された火球についてはYouTubeのCBS Denverが公開しているムービーで確認することができます。

なお、今回観測された火球は時速6万マイル(約9万6560キロメートル)が記録されたそうですが、この種の火球の中ではかなり遅い部類にはいるとのことです。