掃除がしづらい場所などに溜まることの多いホコリですが、「家の中でこんなものがなぜ溜まるのだろう」と考えたことのある人はいるはず。これについて、カナダで行われた研究で調査されており、ホコリの中には「様々なもの」が含まれていることが明らかになったとのことです。
- Canadian House Dust Study: Lead Bioaccessibility and Speciation | Environmental Science & Technology
- Is house dust mostly dead skin? | Live Science
「ホコリの大部分は人間の皮膚である」という俗説があるのですが、実際のところ、それはあまり当たっていません。ホコリを構成する者の中には当然のことながら、人間の皮膚細胞も含まれますが、大部分ではないことが確認されました。カナダ建築センターによると、ホコリの中には「ペンキ」「繊維」「カビ」「髪の毛」「建材」「花粉」「バクテリア」「ウイルス」「昆虫の体の一部」「皮膚」「灰」「スス」「土」など、様々なものが含まれるそうです。
そして、さらに詳細な分量がカナダ保健省が報告した研究で明らかになることになりました。同省の研究者はカナダ国内にある1025軒の家庭からホコリのサンプルを入手して分析を行いました。すると、家庭によって、成分の比率は異なるのです。新築の家なら建築作業時に出たものが多く含まれていたり、交通量の多い道路の近くにある家は排気ガス等の汚染物質があったりします。
この研究結果から「ホコリの大部分は人間の皮膚」という結果にはならなかったようです。この結果はアメリカの調査でも同様の調査結果が報告されており、2009年にアメリカ中西部で行われた調査ではホコリの成分の6割は室内、4割は屋外の土やその他物質が含まれていることが明らかになっています。室内の成分には当然、人間の皮膚も含まれますが、繊維質や建材などあらゆるものが含まれていたとのこと。
もちろん、ホコリの中には人間の皮膚を多く落とすのも事実で、アメリカ化学会によると、一般的な成人は1日に約5億個の皮膚細胞を失っており、1時間に約0.03~0.09グラムの皮膚片が剥がれ落ちているとのこと。しかし、その多くはお風呂やシャワーの排水溝に流れることが多く、衣服に付着した皮膚片も洗濯機で洗い流されてしまうのです。このため、ホコリの大半が皮膚片になるケースはなかなか難しいようでした。