灼熱の惑星「TOI-1431b」が発見される

画像: サザンクイーンズランド大学

ほとんどの金属が蒸発してしまうほどの高温で「まさに灼熱の惑星」をサザンクイーンズランド大学の天体物理センターのブレット・アディソン博士率いる研究チームが発見しました。

TOI-1431bは地球から約490光年の距離に位置しています。大きさは木製の約1.5倍で重量が3倍強で、まさに重量級の惑星です。この星は太陽のように恒星の周りを周回していますが、公転にかかる日数が約2.5日(地球の場合は365日)であり、恒星から非常に近い軌道を回っていることがわかります。

アディソン博士によると、TOI-1431bは天の川銀河によく見かけられる赤色矮星の温度(約1730度)よりも高温で表面温度は約2700度、夜間でも約2300度に達するとのこと。このため、TOI-1431bでは生命が生存することはできません。

同氏は「このように超高温で巨大な星というのは非常に稀」と語り、TOI-1431bは恒星の近くで形成されたのではなく、もっと遠方に存在していた星だったようです。そして、宇宙空間を彷徨っていたこの星は恒星に非常に近い軌道上を公転するようになりました。

本来、惑星は惑星系の中心にある星の自転方向と同じ方向に公転します。しかし、TOI-1431bは恒星の自転方向と逆方向に公転していることが明らかになっています。このため、アディソン博士は「今回の発見は惑星がどのように形成され、移動するのかを知るのに絶好の機会です」と語っています。