「顔の半分が麻痺」ジャスティン・ビーバーが患った「ラムゼイ・ハント症候群」とは?

2022年6月10日にグラミー賞を2度受賞したことでも知られるミュージシャンのジャスティン・ビーバー氏がラムゼイ・ハント症候群を患い、顔の右半分が麻痺していることを公表し、一時的に活動を休止すると発表したことで話題となっています。このラムゼイ・ハント症候群とはどのような病気なのか、そもそも完治可能なのかなどについて、海外メディアが調べているようです。

ビーバー氏が患ったラムゼイ・ハント症候群は水ぼうそうの原因となるウイルスによって引き起こされるもので比較的珍しい病気に分類されます。アメリカのミネソタ州にある総合病院「メイヨー・クリニック」によると、水痘・帯状疱疹ウイルスが顔面の神経に感染することで、ラムゼイ・ハント症候群の症状が引き起こされるとのこと。

記事作成時点において、多くの子どもたちは水ぼうそうワクチンの定期摂取を行っており、感染率は非常に低くなっています。このワクチン自体は1995年にアメリカで接種可能となり、ビーバー氏の生まれたカナダでは1998年に使用が承認されているようです。

ラムゼイ・ハント症候群は難聴や耳鳴り、耳付近に水疱ができることもあることが知られており、アメリカでは年間10万人に5人の割合でこの病気にかかる人がいると推定されています。実際にラムゼイ・ハント症候群に感染した際に顔面の半分が麻痺してしまう症状にかかった人の様子はYouTubeのCanadian Medical Association Journal — CMAJが公開しているムービーで確認することができます。

メイヨークリニックによると、ラムゼイ・ハント症候群に感染した場合、抗ウイルス薬や副腎皮質ホルモンなどの薬物治療によって症状は回復することが多いとのこと。しかし、最悪の場合は顔面の麻痺が永続的に続いてしまうこともあるそうです。