「1000年に一度の洪水」中国の鄭州市を襲った大雨で地下鉄が浸水「車内はまるで水責めの状態」

画像: Twitter(Manya Koetse)

中国の河南省の省都である鄭州市ではわずか3日で年間降水量に相当する大雨が降った影響により、地下鉄を含む多くの場所が水没し、少なくとも12人が死亡したことが明らかになっています。気象予報士の間では今回の大雨は「1000年に一度起こる最悪の事態だ」と語られているとのことです。

この大雨は2021年7月17日の夕方から降り始め、2021年7月20日までの3日間で鄭州市に降った雨の総雨量は617.1ミリメートルに相当します。鄭州市の年間降水量は平均640.88ミリメートルであるため、約72時間という短時間で1年分の雨が降り注いだ計算になります。

この結果、7000床の病床を持つ鄭州市の大型医療センターとして知られる第一付属病院では予備電力も含めて停電。2021年7月21日には同病院に入院する600人以上の重症患者を別の病院に搬送する措置が講じられているようです。

また、この大雨は鄭州市の公共交通機関にも直撃。地下鉄の駅構内にも大量の水が浸水することとなり、線路上を走る電車の車両も水に浸かることになってしまいました。このときの地下鉄車内の様子を撮影したムービーをTwitterのManya Koetse氏が投稿しており、車内の人々が首まで水に浸かっている状態となっていることがわかります。

鄭州市に住む56歳のレストラン経営者の女性は「私は生まれてからずっと鄭州市に住んでいますが、今回のような大雨は経験したことがありません」と語っており、長年住んでいても体験したことのない大災害だったことがうかがえます。なお、鄭州市ではこの大雨により、10万人の人々が避難しているようです。