半導体メーカー大手のAMD(Advanced Micro Devices)は2021年11月8日に同社のオンラインイベント「AMD Accelerated Data Center Premiere」を開催し、Meta(旧社名: Facebook)がAMDで製造しているサーバー用CPU「EPYC」を正式に採用したと発表しました。この発表により、AMDの株価が11%以上上昇したとのことです。
AMDはx86プロセッサーの市場で長年Intelの後塵を拝していましたが、同社のCEOを務めるリサ・スー氏が率先して「カムバック計画」を推し進めていました。この計画を進めることで、Intel製のものよりも高速なプロセッサーを開発。2017年以降はゲーム市場やPC市場、サーバー市場など、多くの市場でシェアの拡大を着実に進めています。
AMDは「AMD Accelerated Data Center Premiere」にてMeta社を顧客として獲得した後、これまではIntelの独壇場だった顧客である「Google Cloud」「Amazon Web Services(AWS)」「Microsoft Azure」とも取引を行っています。この結果、AMDは記事作成時点でx86プロセッサー用チップのシェアの約4分の1を占めている状況です。
また、AMDの今回の発表により、投資家による支持も集めており、同社の株価が11%以上上昇しています。これまでのスーCEOの方針が功を奏している形であり、このまま成長を続ていけば、Intelに追いつく未来も見えてくるかもしれません。
画像: Flickr(Nicolas Vigier)
なお、AMDはCPUだけではなく、GPU部門にも力を入れており、今回の発表で機械学習や人工知能(AI)など特定の処理を高速化するMI200を発表しました。このプロセッサ-はNvidiaの人工知能向けGPUである「A100」に対抗するために作られたものです。記事作成時点において、GPU市場ではNvidiaが圧倒的なシェアを持っていますが、AMDがCPU市場のような頭角を現していけるのか要注目です。
なお、AMD Accelerated Data Center Premiereの様子はYouTubeのAMDが公開しているムービーで確認することができます。